目の前の少女は一体どこからやってきたのか。





>>002 地球外生命体。否、未来的構造物







「エー幻覚でもみてんのかナー俺単に実験に失敗しただけヤしー。
つうことでー亜水弥、目ぇ閉じて。よし。3つ数えたら一緒に目開けよ。」

「わかりました。」


微妙に片言気味に、目線を泳がしていう鼎に、亜水弥は言われたとおりにする。



「じゃ、かぞえるで?
いーち、にーい、さんっ!はい目ぇあけて!」


―幻覚じゃ、ねぇじゃん…!!


ふたりは同時にそう思った。お互い、自分で自分をつねったり色々としているが、夢じゃない


「ど、どっからか連れてきてしもた!!???
おおおっつうことは時空間移動機器成功しかけてた!?やっほう!」

「現実逃避しないで下さい!でももしかしたらどっからか入り込んだのかも…」

「なわけないやろアホ!ここはさる大企業プロデュースの研究所やで!?厳重な警備が…」

「で、でも!爆発で吹っ飛んでましたしっ!」

「そんなん余計おかしいわ!誰が意味不明な実験で爆発した場所にきたがんねんっ!!」


混乱故にぎゃぁぎゃぁと言い合う二人。
目の前の少女はそれを見て、笑い、そして笑いながら、何か話す。



「しゃべっとる…でも言葉わからへんっ」
「えーっと何語!?英語じゃないし、宇宙人語ー!?」

「そんなわけあるかぁ!でも未来からきたならありえるかも!?
んじゃいっちょ、おにーさんが翻訳してやろう!!何々?

「ここはどこですか?私はシャーアと申します。貴方達は?」でどうや!」


少女はこくこくとうなずく。そしてニッコリと微笑んだ。
・・・どうやら当たっていたらしい。

「えぇえ!?なんで鼎さんが宇宙人語わかるんですか!」
「いや、てきとーに、しらん場所にきたらいいそうな事言ってみただけ…」

―あてずっぽかよ。

静かに、冷たいつっこみがはいった。心の中で。
一瞬部屋は氷点下。


「えーやん!まっさか当たるとおもわへんかってんよ!」

必死に取り繕うが、亜水弥は冷たいままだ。
突然きた少女はというと、のどの辺りをいじっている。

ぎー
ぴー
かちかちかち
 セット、完了、シマシタ。
がちゃ
カコン


―!!!???


「いったいどうなっとんね「なんだよこの女ぁ!?」

つっこもうとした鼎を遮って、少年の声がした。
それほど低くない声。背丈は亜水弥と変わらないくらい。金髪に茶色い目の少年だ。

「あ、祁葉(きよ)。」

亜水弥が振り向いていう。どうやら少女が何をしたのか見ていなかったらしい。
鼎と、祁葉というらしいその人物は、ぴしっと固まっていた。
無理はない。見た目普通の女の子が、突然喉元をぱかっと開けたのを見てしまったのだから。

「ど、どうしたんですか、鼎さん。祁葉まで!」

なにもしらない亜水弥は、訳がわからない。

すると、先ほどの少女は、首を傾げながらこういった。

「みなさん、どうなされたのですかー?」


―貴女のせいで、固まっているんです。







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