少女は少女で少女であって 機械であっても少女なわけで。
「改めまして始めマシてー私、シャーナといいマス。 先ほどは失礼いたしましたー機械語の設定のままでシた。 で…すみませんが、ここはどこですか?」 丁寧に、そういうシャーナという少女。 「あーそうなんや、シャーナちゃんか。はじめましてー ここは、とりあえず俺の研究所。えっと、あんたは…その。機械?」 「ええ、機械でスーアンドロイドというものですね。 なんといいますか、ここは… ずいぶん昔のつくりですねーそういうのが趣味ですカ?」 「いや、どちらかというと新しめな建物や。 えーっとじゃぁシャーナちゃんは未来からきたんかもなぁ。 俺は、時空間移動機器の研究しててな?爆発起こしてしまってんけど。その後に君がおってん。」 いつまでも爆発後にいるのもなんなので、場所を移し、ここは研究所内の応接室。 シャーナ、鼎、亜水弥、祁葉の4人でこの部屋にいる。 「へぇ。時空間移動機器ですカぁ。あ!そういうのなら私もしってます!過去にいけるのですよ!」 「おおっ!そーなんか!じゃぁやっぱ、未来からきたっちゅうことやなー! あーでも、悪いんやけど…研究成功してるわけやないし、 今日作ってたやつもう一度作るいうても…たぶん2週間はかかると思うんよ …どうしよ、シャーナちゃん、戻られへんかも」 「そうなんですかー?でも別にゆっくりでいいですよ。 私機械ですし愛着特にないです。充電さえさせてもらえればオーケーですよ。 まぁ壊れたら修理できませんが…その時は仕方ないです。諦めます。 それが私のアンドロイド生だったってことで。」 ずいぶんと、自分のことなのにかるく言っているシャーナ。 それで良いのだろうか。 というか、アンドロイド生ってなんだ。 人生、ということか 「…機械っつっても感情あんのな」 先ほどのショッキングな光景から立ち直った祁葉が、シャーナに言った。 「はい、自我はあるのです。でもまぁ所詮作られた感情なので。 本当の感情も、人と接してるうちに芽生えたりするらしいですけども。」 「へぇ。」 なんだかト○ビアのような雰囲気だ。 目の前にボタンがあれば押してしまいそう。 「でもま、とりあえず、シャーナちゃんにはここで生活してもらうっつう事で。 それから、俺は時空間移動機器、もっかいがんばってみるわ。」 「わかりました。じゃぁこの中案内しましょうか。」 亜水弥が、シャーナをみながら言う。 研究所はやたら実験室が多く、そしてやたら色んな部屋があり、つまり建物がでかい。 なれないと…いや慣れていても、迷ってしまうような所だ。 必要最低限の通路は教えておいた方が良いだろう。 「せやなーでも、亜水弥は出来れば俺の手伝いしてくれへん? で、祁葉は案内頼むわ。優しくお願いなー?」 「な、なんで俺が!?」 「えーやん。機械やけどかわええ女の子やし。しっかりよろしくぅ〜 これ、あの子の部屋の鍵な!」 めちゃくちゃ、笑顔。 楽しんでいるのかもしれない。 祁葉は、他人と話すのが苦手である。初対面では普通、必要以外話さない。 それは彼の過去が関係しているのだが、まぁそれはおいておくとして。 人見知りの激しい彼にとって、(機械でも)初対面の人間と長時間接するというのは苦痛なのである。 たぶんそれを直させたいというのもあるのだろうが、祁葉にはありがたくない。 けれど鼎は亜水弥をひきつれ、さっさと応接室を出てしまって。 残された、祁葉とシャーナ。 「しゃーねぇ。いくぞ。えっと、シャーナだったっけ?」 「そうですよー」 「まず、てめぇの部屋からな。」 シャーナの方も見ないままそう言って、なんとも面白くなさげに、祁葉は応接室を出た。 戻る