俺とあの人との距離は

一定を保っていて

俺はこんなに願っているのに

縮む事はなくて





17.進まない距離






「ルイ〜!」

ばっと抱きついてみれば、抱きつくな!といつもと同じ反応で

変わらない。そんな関係が好き。


これが、壊れるなら

自分のその気持ちも、胸の奥にしまいこんでしまおうか。


けど…直接言わずとも、なにかしら気付いて欲しいわけで

いろいろとしては見るけれど分かっているのかいないのか。


「はいはい、わかってるよ」「またいつかな」

そういわれるのはもう当たり前のようになっている。



それでも、いいかもしれない。
無理に望まなくても

今の信頼関係をサクラ以外に破れるものなんて。



「…なんだよ、人の顔じっと見やがって」

「なんでもありませんよ。ただ、見惚れてただけです。」

そんなにぼーっとしていたかな?と考えつつ、ふざけて見る俺。


「バッ…カヤロッ…!変な事いってんじゃねーよ!」

「変じゃないですよ。ルイはかわいいですからねw」

予想通りというか、それ以上…というか。
心なしか赤くなっているルイが凄く愛しく見える。

ああ、やっぱり好きなんだな。などと

改めて、確信してみたり。


「そーゆーのが変だって言ってんだよ!変態ライ!」

「あ、侵害ですねー」

照れ隠しかもしれないが、変態とまで言われてしまうと、さすがに辛い。

反論すれば、またかえってきて

いつしか笑顔の混じる言い合いになっていって。



そんなささやかな幸せを脅かす人物なんて

いないと、思ってた。

いても…すぐに排除しようと。排除…できると。




けど、一目見て、感じた。

それから暫く見ていて分かった。


(あのルイが…男を連れてる…) 

始めてみた時に思った。

最初こそそれほど…気にはとめていなくて


ナツキという、男の存在。



一緒に修行していくうちに、気付いてしまった。手ほどきをしている、うちに。

(ナツキは、ルイが好き…?)

目線がよく、言っている。 言動にすぐ反応している。


もっとも、ナツキ自身気付いてはいないようだけど。

俺には、分かったんだ。


けど、本人ですら気付いていない恋心。

無視しておけば、大丈夫。

横入りしてきた奴になんて

ルイが振り向くわけ、ないはず…


思っているのに、焦りが残る。

不安。


なんだか、負けてしまうような。


だから、釘をさした

宣戦布告した。


相手は分かっていないようだったけれど。


「ルイは渡さない」

そう…

絶対。



「俺は…なんなんでしょうね。」

ルイの前で、呟く。


「は?ライは、ライだろ?」

「いえ…俺は…ルイにとっての、なんなんでしょうか?」


目を、見つめて。



「だから…ライはライだよ。」

ああ、昔から変わらない、その笑顔に考えに


「この世界で、一人しかいない」

その言葉で、どれほど救われるのだろうか


「俺にとっては、大切だよ。」


普段ふざけていても

あまりそんな事言ってくれなくても


たまに聞ける、その言葉で



「ありがとうございます。」


俺はまだ、負けてなんて、ないから

絶対に、壊させない。

絶対に、渡さない。




今日の出来事で


開いていた、ルイとの一定の距離が


少し縮まった


そんな気がした。








あとがき

長いです。(ウダウダしすぎ)一応捧げ物でございますv

椎名様のHP(こちら)に置いてある小説の
オリジナルキャラクターライさんからルイへの気持ち!

そちらのナツキ君はかわいくて必見ですwルイも…
色々楽しくて、もうすべていいです。面白いです。

読んでるとついにやけてくる…(怪しいよ)私だけ?(あたりまえ
とにかくオススメはオススメです、はい!

ナツキ君とルイの話も書いてるのですが
もう少しヒカ探が進んでからアップ予定…

雪姫