「レオ…ナ…」



名を呼び、手を握ったかと思うと…握った手は力をなくした。

もう此処には居ないのだと悟ったレオナは、キルスに被さるように倒れた。


涙は止まらない。止まらない。

そしていくら衣服を濡らしても、もう彼の人は戻らない。




「キルス…」

「私はね…」

「信じてるのよ…」

「オリヒメと…」

「ヒコボシみたいに…」

「また会うこと…」

「できるって…」


「キルス…」


「私達ずっと…」

「あのままよ…」

「かわらないよ…」

「キルス…」

「キル…ス…」



レオナはそっと…覆い被さったまま 目を閉じた…
彼の名を、呼び続けながら…




そっと…

七夕の星に願いを。


ずっと共にあれますように

ずっと変わらぬ時を過ごせるように


星に願いを…

今、願いは届く…







あとがき

数時間かけて一気に書き上げました。この話。無駄に長い…;長編…?
でも一応短編なのです。ながいので区切ってますが…

結構お気に入りの話です。上手くかけた…気がします(ぇ

七夕より一日遅れ…;反省;
ピンッ!と始めの一文だけ思いついたという…

シリアスです。死にネタです。ハッピーじゃねぇ!!
最後レオナさんはどうなったかというと…ご想像にお任せします。
そのまま眠っただけでまた生き続けるのか…
はたまたそのまま死んでしまったのか… とり方は自由です。

それとかキルスは生き残ってた誰かの魔物の力で生き返って
レオナさんと幸せに暮らす。とか。

背景は、「できるならあの頃へ」という願いの、「あの頃」の
綺麗さをイメージし、青空写真を借りました。(水珠様より)


雪姫 05・07・08