過去からの鎖 1,ここから




いつもと何ら変わらない日。たしか…木曜日か。
明後日は休日だな…

といっても、何もする事は無いし…
かといって学校も好きじゃない。

あーたるいな…サボりてぇ…


「おっは!なーに浮かない顔してんの?元気だしなって!
あ、さては、またサボろうとか考えてるんでしょ〜?駄目だよ、そんなんじゃ!」

そんな時、やって来たコイツ。白石美穂って言う。

「お前…朝からテンション高すぎ…」
呆れ気味にそういえば、「別にそんなに高くないってー」と返ってきた。

「いや、高い。つか元気なんかでるかよ…「気味悪い」って思われてるし。」


「気味が悪い」と思われている理由は、目にある。
俺の目は、オッドアイ。生まれつき…なんだけど。一目見れば、気味悪がって近づこうとしない。

まあ、その反応が当たり前だろうと思う。
小さい頃も今も、この目がコンプレックスだって事には変わりないれど。

思えば小さい頃、遊びの仲間に入れてもらえなかったり
受験の時だってこの目でアウトで。

今通ってる学校はかなり荒れ放題。
しかも俺は目立ったまま…不良に間違われたりもした。

ただ、今はカラーコンタクトをつけて、少し目立たないようになってる。
青のカラーコンタクトしてるって間違われるけど。

本当は青色を隠してるんだけど…



そんな中、コイツだけは普通に接してくれていた。
中学からの付き合い。唯一、この目を綺麗だと言ってくれる。

変わってる奴。明るくて、でもドジで…結構救われてるんだけど。


「プッククッ…」 そこまで思って、噴出してしまう。
「何笑ってんの!?面白い事なんてやってないしいってないし!!」

むっと怒った気持ちが、伝わってくる。
コイツの気持ちはわかりやすい。裏表もない。

「わ、悪い。思い出してて。やっぱかわってるなーって」
「なに思い出してるのよ。」
「いや、始めてあった時の反応とか…」

そこまで言って、白石はさらにむっとしていた。

「もーいい。これから話してもやんないし、なんにもしてやんなーい」
「あーだからごめんって!」

「…いいよ、許す。」

こうあっさりと許すのは何故なのか。

「何だよその言い方…」

「ははっほら!遅刻するよ〜いっそげ〜」

そういって腕をつかまれ、走らされる俺。 かなわない。でも面白い奴

学校での周りの目は冷たいけど。コイツといつも出会うから、なんとなく一緒にいってる。

おかげでちゃんと学校へいけていた。

普通なら、登校拒否っぽかったんじゃないかなーなんて。



学校で、かったるい授業をうけて
俺にとっては有意義な昼休み。

いつもの習慣で俺は図書室に行く。


「今日はどの本にしようかな…と」

毎日毎日きていれば、たいていの本は読んでしまう。
しかし、ここの図書室は意味も無く広くて本が多い。

適当に探していると、妙な本に出会った。


「なんだ?これ…」

そっと、その本を手に取る。
・・・それが後の人生に、大きく関わるとも知らずに。






back(前ページへ) (第2話へ) next