「何これ…私と一緒じゃない!うわぁ〜すごい!嬉しいなぁ〜」
え・・・?
今度は俺が驚く番で。
一緒だなんて、信じられない。けど、嬉しくて。
「俺も…」
とぼそっと言ったらレオナは笑った。
笑顔が純粋に好きだった。昔から一緒にいて。
こんな、周りから見て…汚れた血を持つ俺に
その事を知ってもなお普通に接してくれて
レオナと居るときは、自分のこの血を忘れられた。
自分自身は嫌いじゃないのに、周りには理解されないこの身を
一緒にいたかった。
あの頃は純粋に一緒にいれた。
だけどもう駄目なんだ。
ハンターが…俺の存在に気づいて、俺を襲おうとしてくるから。
一度お前にも危ない目に遭わせてしまった。
そのときに決めた。
一緒にいてはいけない。
このまま俺の血に、巻き込ませるわけには。
だから離れたのだ。
それはけしてレオナを思ったことではない。きっと。
自分自身が失うのが怖かったからだ。
離れればお互い、どうしているか分からない。
レオナがどうなっていようとも、元気でやっているだろうと思える。
俺にはレオナを守り抜く自信がなかった。
弱くて嫌になる、自分という存在
大切な人が目の前で傷つくことが怖かった。
そうして自分も傷つくことに耐えられなかった。
自分の保身のために離れるのを選んだのだ。俺は
・・・それでもまだ
レオナの事を思い、過去を望み、立ち止まる。
振り切ることも、共に生きることも…出来ない。
「ごめん」
また呟いていた。気がつけば雨はやみ、黒い雲が残っているだけ。
「ごめん」
ひたすらに
「ごめん…レオナ…」
こんな俺で、ごめん
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