「もう少し…」 案外流れが速く、そして深かった川に苦戦しつつ レオナはやっと渡りきり、地に着く。 その目に広がったのは 大量の、人の死体…いや、人…ではなく…魔物の… 「な…どうして…これは…」 キルスも…もしかして…? 嫌な予感が頭をよぎる。それを振り切るように頭をふるが、 不安は拭えず…辺りを見回すとキルスの姿が…あった。 「キルス…!」 駆け出す、レオナ。 「キルス…っ!!」 「レ、オナ…?幻…か…?」 「幻じゃないよ!ふれてみてよ…ねぇ…」 キルスの手にそっとふれると「そうか…」と声が聞こえる。 「もう…会えないと思った…」 「キルス…」 「ハンター達に…襲われたんだ…」 「・・・・・・・」 「一目会いたいと思ってた…」 レオナは静かに話を聞いていた。 段々か細くなる声を感じながら。 |