「わかったから…もうしゃべらないで…傷が…」
「…だけど…もう無理なんだ…魔物を殺す銃で撃たれた…
病院に行ったって…治せ…ない…直せる者は…すでに死…んだ…」
「え…」
レオナは動揺を隠せなかった。このまま大切な人が死んでいくのを
何もできず、見ていることしかできないとしって。
「レオナ…会ったら…伝えたかった…聞きたかった…
俺達は…あの…短冊に願った…あの時と…変わっていないだろうか…」
声はさらにとぎれとぎれに…細くなり…けれどキルスは聞いた。
「なにも変わらないよ…なんにも…大丈夫だよ…」
涙が溢れてくるのをこらえながら、レオナは答える。
自分だって願っていた。
あのまま変わらないと。たとえ変わっていようとも…
キルスの問いは願いなのだと、レオナには分かっていた。
「そうか…良かった…ずっと…あの…ままで…いたかった…
俺はレオナと…共に…ありたかった…」
「私もだよ…一緒にいたかったよ…たとえ殺されても…
一緒に入れるなら良かったよ…キルスとなら…何もなくても平気…」
「ありが、と…俺に…は…共にある…強さは…無かったけど…
もしも…戻れるなら…やり直したいな…強く…
ハンターなんて…ものともしない…くらい…」
そっと目を閉じたキルスに雫が光って落ちた。
レオナももう止められず、ながれる雫はポタポタと落ちていた。
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