…目を、開けると。
真っ白な世界だった。



過去からの鎖3,白の世界



部屋のようだが…俺がいるベット以外は何も無い。
そのベットさえ真っ白で、天蓋つきだ。

明らかにおかしい。俺は今どこにいるのか。



カチャッ	誰かが入ってくる。

そういえば、コンタクトの感覚が無い。
本を読む前に取ったんだったか…

なんでこんな時に…と、思う。
気味が悪いと思われる、その瞬間が嫌いだから、いつもはずさないのに。


近づいてくる気配に、ぱっと顔をそむけた。


「気がつかれましたか?」

「まぁ…はい。」

「大丈夫なんですか?」

「大丈夫です。」	一応敬語での受け答え。



「あの…顔を見せてはもらえませんか?」

「なぜ…ですか」

聞き返す。心なしか声が震えた。
見られるのが…嫌だった。


「顔を見せてもらわなければ、本当に大丈夫かどうか分からないので…」

従わないような気分になった。

そう思わせるものが、この人にはあった。


渋々顔を上げると、意外にも微笑まれる。


「…よかった。大丈夫みたいですね。」

沈黙する俺を横目に「皆さんをよんできますね〜」と出て行ってしまう。


「…?」

急なこの展開についていけない俺。


この場所も彼女の事も、何もわからないまま。



しかし、これはまだ。
単なる序章にすぎないのだ。





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