部屋に残された俺は

ポツンと、一人ベットの上



過去からの鎖4,出会い





「皆さん!目を覚まされましたよ〜」


壁越しに、ほんの少し聞こえる会話。 
そののち、ドアが開いて、部屋に3人ほど、人が入ってきた。



「良かったです。心配したんですよ。」 のんびりと言う少女。

「よかったな〜たすかって。」と、青年。
「ええ、本当に!」と、さっきの少女。



その誰もが、見たことのない人。

そして、服は真っ白で、普通の世界から言えば、おかしい。
まるで、神のような、はたまた天使のような…




「あの、お名前を教えてもらえますか? 私は、ティアと言います。」
「俺は五十嵐渡です。」

どうも。とつけたして、ティアという少女と握手をした。

その後、先ほど部屋で会った少女(メイドでリシルと言うらしい)
とも、名乗りあってから、握手した。



「へぇ、ワタルって言うのか。良い名前だね。俺は、ガゼル。
でも、本当に無表情って言うか...もとはいいのに台無しだよ?」
「はぁ・・・」

俺はどう答えるか迷って、無口になる。
表情、といっても。俺は特に気にしてもいないし…



「もっと表情があるほうが、絶対良いと思うけどなー…」

そういうと、ガゼルは俺に近づいてきた。


「らりするんれすか(なにするんですか)」

いきなり、頬を引っ張られた。なんなんだ、いったい…


「何って、笑顔の練習。」

真面目に言うガゼル。後ろで笑いをこらえているリシル。

嫌そうに、多分顔をしかめているだろう、俺。




「ところで…此処どこですか?」
開放されて、やっと聞きたかった事を聞く。

「何処って、天界だけど?」
「は?」

天界って、なんだよ。

つい心の中で突っ込む。あっさりそういわれても。

「だから、此処は天界。」

「・・・・・」
そういわれ、俺は黙り込む。

理解なんて、できるわけがない。


ゲームや、小説じゃあるまいし。
変な世界に来たなんて…

ある訳が、ない…





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