大砲のような音が響く

天界と、いうのは。そんなに物騒な所だったか…?



過去からの鎖6,この世界の事情





「ちょっとこれは!?」
混乱する中で、やっと発した言葉だ。

今はもう、ただの音だけではなく、地面も、揺れていた。
「事情は後で話す!」それきり、皆何も言葉を発しなくなった。

「はぁ…はぁ…ここまで来れば…もう…」
数分走り、ガゼルが口を開いた。 皆、息が上がっている。そうとう走った。


「いったい、これはどういう事ですか?」
俺は聞く。 あたりはすごい状態。建物や柱は倒れている。

「天界は…今戦争をしているんだ」
「戦争…?天界でも…?」
不思議だった。ここから言えば…そう、人間界でも戦争は起こっているけど…
天使、神と言えば、それを諫めるものだと…少なくとも俺は思っていて…

「あはは、驚いたかい?でも…天界であっても戦争はあるのさ」
「そう、ですか…」 一応、曖昧ながらも理解して返事をした。

「でも…こんな争いは嫌です…早く終わってほしい…」
「そうですよね…ティア様…」
ティアとリシルはそう、辛そうに言った。



なんでも、この戦争は先代の天王が亡くなってから始まったらしい
今の天王はかなり横暴らしく、考え方が合わないと言う者が大勢居るようだ。

そして、天王側、反天王側とで対立。今はその真っ最中。
ちなみにガゼル達は反天王派。容赦情けのないそのやり方に反感を持っているという。
もっとも、争いを好んでいるわけではないのだが…


「君も気をつけた方がいい。
・・・人間界から来たとなると殺されるかもしれない」

「わ、わかりました…」

少し気になったりもするのだが、天王は危ない人物…
な気がしたので気をつけることにした。 会わないようにしたほうが良いだろう



俺はこの世界の事情を曖昧ながらも悟った







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